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執筆者の写真ざっきー

あなたのビジネスを守る最前線:脆弱性診断の全て



こんにちは。現代のビジネス環境では、技術の急速な進化とともに、企業のITシステムを様々なサイバー脅威から保護するための新たな戦略が求められています。


その一つが『脆弱性診断』です。


本記事では、脆弱性診断の理解を深めるため、その概念、なぜそれが重要なのか、そしてどのように実施するのか、について紹介します。



脆弱性診断とは?


脆弱性診断は、ITシステムやネットワークに存在するセキュリティホール (脆弱性) を探し出し、そのリスクを評価し、報告するプロセスのことを指します。


この評価により、不正アクセス、情報漏えい、データ破壊などのリスクを事前に把握し、適切な対策を講じることが可能になります。脆弱性診断は、ビジネスの安全性を高め、顧客の信頼を獲得するために不可欠な要素で、現在は多くの規制や業界基準で要求されており、IIJAでは最低でも四半期に1度以上の頻度で診断を行うことを推奨しています。


脆弱性診断は、一般的には企業のセキュリティポリシーやITインフラストラクチャを管理する部署で取り仕切ることが多いです。これには情報システム部門や情報セキュリティ部門、リスク管理部門が該当します。小規模な組織では上記のような専門部署が設けられていない場合もありますが、その場合でも経営陣や関係者が連携を取りながら脆弱性診断を実施することが重要です。


また、専門知識を持つ外部のセキュリティコンサルタントやサービスプロバイダーに脆弱性診断を依頼することも一般的な方法といえます。



脆弱性診断とセキュリティアセスメントの違い


脆弱性診断とセキュリティアセスメントは、どちらも組織のサイバーセキュリティの状況を理解するための手法ですが、目的とスコープが異なります。


一言でいうと、脆弱性診断はシステムやネットワークの「脆弱性」に焦点を当て、セキュリティアセスメントは組織全体のセキュリティに焦点を当てています。


本記事では脆弱性診断を主題としていますが、脆弱性診断について詳しく紹介する前に、それぞれの特徴をおさらいしておきましょう。


脆弱性診断

システムやネットワークに存在する具体的な脆弱性を特定し、それらが悪用された場合の潜在的なリスクを評価するプロセスを指します。通常、自動化されたツールを使用して大規模なスキャンを行い、システム内に存在する脆弱性を一覧表示します。それから、これらの脆弱性がどの程度のリスクをもたらすかを評価し、それに基づいて修正策を提案します。


セキュリティアセスメント

組織のセキュリティポスチャ全体を評価するプロセスです。これには、脆弱性診断だけでなく、セキュリティポリシー、手順、ユーザの行動、物理的なセキュリティ、セキュリティアーキテクチャ等の評価も含まれます。その結果、組織は自身のセキュリティの強度と弱点を全体的に理解することができ、それに基づいて組織全体のセキュリティ戦略を改善することができます。

脆弱性診断

セキュリティアセスメント

目的

システムやネットワークに存在するセキュリティの脆弱性を特定する。

全体的なセキュリティリスクを理解し、適切な対策を策定する。

スコープ

技術的な脆弱性、主にシステムやアプリケーションのセキュリティホール。

企業全体のセキュリティポスチャ、ポリシー、手順、人的要素なども含む。

手法

自動化ツールや手動テストを用いて脆弱性を特定。

脆弱性診断の結果、人的要素、ポリシー、運用手順などを含めた包括的なレビュー。

結果

修正や修復が必要な具体的な脆弱性のリスト。

セキュリティリスクの全体像、リスク軽減のための推奨アクション。

頻度

定期的に行われる(例:年に一度、または四半期毎)。

適宜、または特定のイベント(新システム導入、規制変更など)をきっかけに実施。



脆弱性診断が重要である理由


サイバーセキュリティはビジネス戦略の一部であり、脆弱性診断はその中心的な役割を担っています。

企業が、自身のITシステムがどのような脅威にさらされているかを理解することで、適切な防御策を計画し、効率的な運用を行うことが可能となります。また、診断を定期的に行うことで、新たに出現した脆弱性を素早く察知し、リスクを最小限に抑えることが可能です。





軽視されている脆弱性診断


脆弱性診断は企業のセキュリティ状況を評価し、改善するための重要なツールですが、以下に示すような理由から、すべての企業が実施しているわけではありません。


リソースの制約

脆弱性診断は専門的な知識と高度な技術を必要とします。これには独自のセキュリティチームまたは外部の専門家が必要となることが多いです。また、時間とコストも考慮する必要があります。特に小規模企業やスタートアップでは、これらのリソースが限られていることが多く、セキュリティ対策の優先度が低くなることがあります。


担当者の知識不足

企業内のIT担当者がセキュリティや脆弱性診断の専門知識を持っていない場合、脆弱性診断の重要性を理解し、適切に実施することが難しくなります。脆弱性診断を正しく行うには、システムやネットワークの知識だけでなく、最新の脆弱性や攻撃手法、対策方法についても理解している必要があります。


認識の不足

一部の組織では、自分たちがサイバー攻撃の対象になるとは考えていない場合があります。特に、自社が特に大きな価値を持つデータを持っていないと考えている場合や、業界自体が高リスクと認識されていない場合は、脆弱性診断の必要性が見落とされることがあります。



脆弱性診断の具体的なステップ


ベンダに脆弱性診断をアウトソースする場合、一般的に以下のようなステップで進みます。


1.脆弱性スキャン:この段階では、自動化ツールを使用してシステム全体をスキャンし、未パッチのソフトウェア、設定ミス、不適切なセキュリティポリシーなどの潜在的な脆弱性を検出します。これにより、攻撃者が利用可能な「窓」を特定することができます。


2.脆弱性評価:検出した脆弱性をリストアップし、それらがビジネスにどれほどの影響を及ぼす可能性があるかを評価します。評価は、脆弱性が悪用された際の潜在的な被害と、その脆弱性が攻撃者にとってどれだけ簡単に利用できるか、に基づいて行います。


3.報告と修正策の提案:脆弱性診断の結果は、詳細な報告書としてまとめられ、経営陣やIT管理者に提供されます。報告書には、検出された脆弱性の詳細、その影響、およびそれを修正するための推奨策が含まれています。



脆弱性診断とビジネスの未来


デジタル化が進むいま、脆弱性診断は企業のセキュリティ戦略の一部として不可欠です。

定期的に診断を行うことで、新たな脆弱性を迅速に発見し、システムを更新して保護することができ、企業がビジネスを継続的に守り信頼性を保つために役立ちます。


脆弱性診断の専門家と連携するか、または社内で必要なスキルを開発することにより、ビジネスの持続可能性を確保し、競争力を維持することができます。



おわりに


IIJアメリカは、脆弱性診断サービスをはじめとしたセキュリティ関連サービスを提供しており、この領域の専門家としてお客様のビジネスを守るよきパートナーとなるため、日々スキルアップしています。


脆弱性診断についてさらに詳しく知りたい場合や、ビジネスの安全性を強化したい場合は、いつでもこちらのWebフォームからお問い合わせください!

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