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執筆者の写真ざっきー

暗号化技術とは?仕組みから最新トレンドまで初心者向けに解説

更新日:3月13日



個人情報の保護とデータの安全性がますます重要になってきている現代社会。インターネットとIT技術の普及により、私たちの日常生活は便利になりましたが、それと同時にサイバー攻撃やデータ漏洩のリスクも高まっています。


セキュアにIT技術を利用するために、ユーザーのバックグラウンドで使われているのが「暗号化技術」です。実際にこの技術がどのようなものなのか、どのように機能するのかを理解している人は少ないかもしれません。


本稿では、暗号化技術の基本から最新のトレンドまで、暗号化技術がどのように私たちのデータを保護しているのか、また、日々の生活やビジネスにおいてどのように利用されているのかについても触れ、初心者にも分かりやすく解説します。



暗号化技術とは?


暗号化技術とは、情報を安全に保つために、データを第3者が読めない形式に変換する技術のことを指します。この変換された形式は、特定の手順や鍵を知っている者だけが元の情報に戻すことができるようになっています。つまり、不正なアクセスからデータを保護し、情報の秘密性と完全性を保つための手段です。


暗号化の基本的な原理は、古代から用いられてきましたが、デジタル時代に入り、その方法論や技術は格段に進化しました。現代の暗号化技術は、電子メールの送信、オンラインバンキングの取引、個人情報の保管など、私たちの生活の様々な面で使用されています。



暗号化と復号の基本的な仕組み


ここからは暗号化と復号がどのように機能するのか、そのプロセスについて掘り下げていきます。まず暗号化とは平文(読めるデータ)を暗号文(読めないデータ)に変換すること、復号はその反対で暗号文から平文へ変換することです。


この変換を実現するためには、「鍵」と呼ばれる情報が用いられます。鍵とは、暗号化と復号の両方に使用される情報で、鍵の知識がなければデータを元に戻すことはできません。


暗号化のプロセス:平文に対して特定のアルゴリズムを適用し、それに鍵を組み合わせることで暗号文を生成します。このとき使用される鍵は、データを安全に保つための秘密のコードのようなものです。


復号のプロセス:暗号文に対して暗号化プロセスの逆を行い、同じ鍵(または対応する鍵)を用いて平文を取り戻します。


尚、暗号化に対比して「復号化」と表現されることもありますが、これは誤りです。「暗号化」は「暗号にする」という意味合いで使われるのに対して、「復号」という形態は存在せず、この行為そのものが「暗号を平文に戻す」という意味合いを持つためです。


暗号化と復号に用いるは、その使用方法によって二つの暗号化方式に分けられます。一つは同じ鍵を暗号化と復号に使用する「対称鍵暗号化」、もう一つは異なる鍵を使用する「非対称鍵暗号化」です。




暗号化方式の種類


暗号化方式はどちらが優れている、ということではなく、それぞれ特定の用途に適しています。対称鍵暗号化は高速なデータ処理が必要な場合に適しており、非対称鍵暗号化は安全な鍵の配布が必要な通信に適しています。多くのセキュリティシステムでは、これら二つの方式を組み合わせて使用することで、効率と安全性のバランスを取っています。


対称鍵暗号化

暗号化と復号に同じ鍵を使用します。この方式の利点は、処理速度が速いことにあります。しかし、鍵の配布が困難であり、鍵が漏洩するとデータの安全性が損なわれるリスクがあります。対称鍵暗号化の典型的な使用例には、ファイルやディスクの暗号化があります。


非対称鍵暗号化

公開鍵と秘密鍵のペアを使用します。公開鍵は誰でもアクセスできるように公開され、データの暗号化に使用されます。秘密鍵はデータの所有者だけが保持し、復号に使用します。これにより、鍵の配布に関する問題が解決されます。しかし、対称鍵暗号化に比べて処理速度が遅いというデメリットがあります。非対称鍵暗号化は、インターネット上での安全な通信(例:SSL/TLS)によく使用されます。



暗号化の実際の利用例


暗号化技術は、私たちのデジタル生活のあらゆる面で利用されています。ここでは、暗号化がどのように日常生活やビジネスに役立っているのか、いくつかの具体的な例を紹介します。


オンラインバンキングとショッピング

オンラインバンキングやオンラインショッピングサイトでは、個人情報やクレジットカード情報などの機密データを保護するために暗号化が使用されます。SSL(Secure Sockets Layer)やTLS(Transport Layer Security)は、このような情報がインターネット上で安全に送受信されることを保証するために設計されたプロトコルです。 Webブラウザを利用して銀行取引やオンラインショッピングのサイトにアクセスする際、URLに注目してみてください。「https://」から始まっていれば、通信が暗号化されていることを意味します。


電子メールの暗号化

電子メールは、仕事やプライベートで広く利用されていますが、内容が盗み見られるリスクもあります。PGP(Pretty Good Privacy)や S/MIME (Secure/Multipurpose Internet Mail Extensions)などの技術を使用して、メールの内容を暗号化することができます。これにより、送信者と意図した受信者のみがメールの内容を読むことが可能になります。

電子メールに関するこれらのセキュリティ設定はデフォルトで設定されているものではありませんが、より強固なセキュリティを実装したい場合に有効です。


データの保管とバックアップ

企業や個人が使用するデータベースやクラウドストレージでは、重要なデータを保護するために暗号化が用いられます。暗号化によって、データが不正にアクセスされたり、盗まれたりするリスクを大幅に減らすことができます。




暗号化技術の最新トレンド


最後に、常に進化している暗号化技術の最新トレンドを一部紹介します。


量子暗号化

量子コンピュータの登場により計算処理能力がとてつもなく向上し、従来の暗号化技術を破ることが可能になると言われています。これに対抗するために注目されているのが量子暗号化です。量子暗号化は、量子コンピュータでも解読が困難な、より高度な暗号化手法を提供します。


ブロックチェーン技術

ブロックチェーン技術は、データの改ざんを防ぐために、取引の記録に暗号化を利用しています。これにより、セキュリティが非常に高い分散型のデータベースを実現しています。すでにビットコインを筆頭とする仮想通貨に利用されており、特に、金融や契約の分野でその有用性が認められています。



まとめ


本稿では、暗号化技術の基本から最新トレンドまでを初心者向けに解説しました。暗号化は、デジタル時代を保護するために不可欠な技術であり、その重要性はこれからも増していくでしょう。今後も新たな技術や方法が開発される中で、セキュリティ意識を高め、最新の知識を習得していくことが重要です。


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