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[Starlinkシリーズ♯2]IIJ America のNew Yorkオフィスで使ってみた!

  • 執筆者の写真: IIJA Service Team
    IIJA Service Team
  • 3 時間前
  • 読了時間: 3分

前回のブログでお伝えした通り、現在アメリカ国内でStarlinkのサービス提供に向けた動作検証を行っています。今回はその第二弾として、ニューヨーク マンハッタンのオフィスで行ったテスト結果をご紹介します。



Starlinkとは?

まずは簡単にStarlinkについて補足します。Starlinkは、宇宙を飛ぶたくさんの小さな衛星を使ってインターネットを提供するサービスです。普通のインターネットは地面にあるケーブル(光ファイバーなど)でつながっていますが、Starlinkは空の上から電波で通信します。

そのため、「空がよく見える場所」ほど通信が安定します。逆に、ビルや木などに囲まれた場所では、電波が衛星まで届きにくくなります。



マンハッタンは設置環境として適しているのか?

IIJ Americaのオフィスはマンハッタンにあります。ご存知の通り、マンハッタンは高層ビルが立ち並ぶエリア。空が開けた場所がほとんどないため、Starlinkにとってはやや不利な環境です。

Google map より
Google map より

通常、アメリカ東部ではアンテナを 北〜北西方向 に向けると良い通信が得られます。

ただし、オフィスの構造上、窓際に設置できるのは南側と東側のみ。

そのため今回は、少しでも条件が良さそうな 北東方向 にアンテナを向けて設置しました。


設置した際の様子
設置した際の様子


実際に通信を試してみました

Starlinkのアプリでは、アンテナと衛星の間に建物などの障害物があるかをチェックできます。


アプリで障害物や設置方向を確認した際の様子
アプリで障害物や設置方向を確認した際の様子

アプリで確認すると、やはり一部で電波を遮るものがあるようでした。この状態で、実際にどのくらい通信が安定しているかをテストしました。

 

アプリの計測によると、**約1%のPingロス(通信が一瞬途切れる現象)**が発生。

つまり、100回に1回ほど通信が届かないタイミングがあるということです。ただし実際には連続して複数回ロスが発生することもあり、この際には明確に通信品質が劣化したことを感じました。


アプリで見られる統計状況
アプリで見られる統計状況

同様に、PCからもPingテストを行ったところ、やはり 約2.5~3%程度のロス が確認できました。

Ping測定の画像
Ping測定の画像

夜になるとロスが増える?


さらに、夜間になると通信ロスの割合が少し上がる傾向が見られました。

これは、衛星の通過位置や角度が時間帯によって変わるためだと考えられます。


夜間のアプリ結果の画像
夜間のアプリ結果の画像

実際に使ってみた感想

一日使ってみて、ユーザーとしてどんな影響があるかをまとめてみました。

  • Pingが1回だけ落ちる程度なら、ほとんど気づかない

  • 連続して通信が途切れると、Web会議やブラウザの読み込みが止まる

  • YouTube等の動画コンテンツは意外と強く、多少の通信途切れでも止まらない(映像を一時的にためているため)

  • スマホアプリでコーヒーを注文中に通信が切れ、決済が止まって少し焦った

弊社のNYオフィスのような場所では数時間の利用では大きな問題はないものの、短い通信断が頻繁に発生するため、ビジネス利用には向かない というのが正直な印象です。


今後の検証予定

今回のアンテナは今後、カリフォルニア州サンノゼのIIJ Americaオフィスへ移動させ、ビルの屋上で改めて検証を行う予定です。より開けた環境でどれだけ安定するか、次回の結果が楽しみです。


次回、第三弾へ続く。

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